ユニクロブラックの話しが沸騰しているので、少々思ったことを書く。
ユニクロがブラック企業だと聞いた時には、なぜ?とおもった。
私は、何名かのユニクロの社員を知っているが、ブランド開発をやっていたり、中国への進出戦略を練ったりしていて、なかなかおもしろいことをやっているなあとおもっていた。その社員も「柳井さんはキツイひとで大変だが、仕事はチャレンジングだ」といっていた。
これだけの規模のアパレルで新しいことができるのだから、とてもいい会社じゃないかと思っていた。
そこに、このブラック騒動である。
かなり違和感があった。
しかし、よくブラック騒動をみると、すべて新卒で入社して店長にあてがわれたひとの話だ。
ユニクロの本社部門のひとの話は全然書かれていない。
ここが味噌である。
ユニクロは、本社と現場のキャリアが完全に分断されていまっている。
本社は、中途採用で、マッキンゼーやらATカーニーやらアクセンチュアの人をとりまくり、コンサルの巣窟とも言われているようなところだ。彼らにとっては、本社はそれなりにチャレンジングでやりがいのあるホワイトな環境である。
ユニクロで出世したいなら、MBAとってマッキンゼーを経て中途で入るのがよい。新卒でユニクロにはいっても店長が関の山だ。
このように完全に分断された構図は、欧米の小売業だと当たり前なのだが、日本の場合あえて別の社会的な反発をくらうからか、学生がとれなくなるからか、そういう事実をあえてぼかしている。
店長の位置づけもあいまいなままだ。
はたして、上にあがれる幹部候補としての店長なのか。それとも単なる店長なのか。
ユニクロは前者をほのめかしつつも、実態は後者である。
学生も学生で、ユニクロに新卒ではいって、グローバルな経営をまなべるとほんとに思ってしまっているところが罪深い。
ユニクロでは、海外進出にあたって中国に膨大な店舗を出店するから、その店長がたりない。新卒は、中国語を覚えて、中国の内陸あたりの新店舗で店長をやることになるのだが、それがユニクロのいうグローバルな経験だということだ。
もちろんユニクロもそんなんじゃ店長の数がたりないから、もう日本人はやめて現地で中国人の店長候補を大量採用しはじめている。同社の新卒の8割は外国人、というのはそういうことだ。
日本人をとるのは、さすがに日本の国内店舗もつぎつぎと人が辞めていくから補充せざる得ないのだろう。
そういう現実をしってかしらないのか、のほほんとしている学生がユニクロに夢と希望を抱いて入り、ブラックな現場で、こんなはずじゃなかった、過労とアイデンティティの崩壊を興すのだろう。
ではそのような新卒に、マッキンゼーに入って、ハーバードMBAをとってからユニクロ入ったほうが面白い仕事ができるよといっても、慰めにはならないだろう。
決してマッキンゼーに入れない人材(このからくりを見抜けないような)だから、ユニクロに新卒で応募してしまうというこの逆説の悲哀。
仮にマッキンゼー人材がユニクロの店長をやったら、それはそれで、小売業のツボを1年くらいで吸収しつくし、それを元になにかあたらしいアパレルを起業したりして成功するかもしれない。そのとき、自分の成功の基礎はユニクロの店長にあったと回顧するだろう。
ユニクロの真のブラックさは、労働時間にあるのではない。
労働時間でいえばマッキンゼーや若手官僚の労働時間はユニクロ店長の比ではないだろう。
月に240時間労働なんて甘すぎる。月400時間もありえる世界だ。ユニクロがブラック動労時間なんてお笑いぐさである。
ユニクロは、労働時間がブラックなのではなく、決して本社では働けない人材にグローバルとか、その上の華やかなMBA的世界をチラリズムさせて採用しておきながら、じっさいな名ばかりの店長をつづけさせる。つまり、ありそうにみえて実際はないキャリアパスで人を釣っているという詐欺のところが、真にブラックなのだ。
実際に月400時間でも、将来経営幹部に転職できるパスがあるとおもうから、マッキンゼーの人はそれでも働く。彼らにとっては、マッキンゼーはブラックでもなんでもなく、キツイが、すごいスキルが手に入る訓練所のようなものだ。
解決策としては、ユニクロは、はっきりとキャリアの分断を示すべきだ。ユニクロには、経験をつんでから中途できなさいと。
そして、店長職は、管理職ではなく労働者という位置づけにはっきりとする。そのためにはもっとシステムをしっかりさせて、本社が管理し、現場の裁量をもっと減らし、機械的に働いてもらう。そもそも店舗の創意工夫などあまりなく、売れ筋の商品は、本社のマッキンゼーが分析して、どのようなものをどれだけ売るかは計算して提示できるような高度なマネジメントを目指すべきだろう。
現場はそれに従えば良い。
矛盾しているかもしれないが、現場に創意工夫がある限り、なんちゃって店長職の責任は増大しつづけるだけだ。
良くも悪くも現場はたんなるマシーンになってしまうが、単なるマシーンだからこそ、裁量がないので、残業を拒否できるし、売上もなにもすべて本社の責任になすりつけることできる。店長は、現場の管理を粛々とやればよい。
そうしたら、仕事は面白く無いかもしれないが、残業のないホワイトな現場になるかもしれない。ただ、そうすると店長はアルバイトでも勤められることになり、大卒の正社員を雇う必要自体がなくなってしまうかもしれないが・・・・・・・・・・・・・
#著者注:ここで書いているマッキンゼー人材というのは、文字通りマッキンゼー出身の人材のことではなく、マッキンゼーなどの、別にグーグルでもいいんですが、その手の非常に頭のよい優秀なトップ層のエリート人材の比喩としてそのように使っております。
(追記)
なお、ユニクロでは店長から本社へのパスが無いわけではなく、事例は存在する。
だだ、店長から本社へあがるには、マッキンゼー級の知見を店長時代に発揮する必要があって、結局マッキンゼー人材じゃないと本社にいけないのは変わりがない。
のほほんと店長をやる人材では上がれないので、事実上の分断と書いた。
柳井さんは、新卒は最優秀層を見出すために、店長時代に死ぬほど働き、マッキンゼー級の業績をあげてほしい、と願っているからこうなるのだろう。
中途の場合MBAとかマッキンゼーというふるいに掛けられ済みなので採用は楽だが
新卒の場合は、まったくわからないので、店長やらせてみて、ふるいにかける。
ただ、ふるいに掛けられすぎて半分がやめてしまっているのだから、この方法よりも別のふるいを考えたほうがよいのかもしれない
(追記2)
続編を書きました。
◎記事に共感いただけましたら、私のツイッターもフォローくださいますと幸いです。
ユニクロがブラック企業だと聞いた時には、なぜ?とおもった。
私は、何名かのユニクロの社員を知っているが、ブランド開発をやっていたり、中国への進出戦略を練ったりしていて、なかなかおもしろいことをやっているなあとおもっていた。その社員も「柳井さんはキツイひとで大変だが、仕事はチャレンジングだ」といっていた。
これだけの規模のアパレルで新しいことができるのだから、とてもいい会社じゃないかと思っていた。
そこに、このブラック騒動である。
かなり違和感があった。
しかし、よくブラック騒動をみると、すべて新卒で入社して店長にあてがわれたひとの話だ。
ユニクロの本社部門のひとの話は全然書かれていない。
ここが味噌である。
ユニクロは、本社と現場のキャリアが完全に分断されていまっている。
本社は、中途採用で、マッキンゼーやらATカーニーやらアクセンチュアの人をとりまくり、コンサルの巣窟とも言われているようなところだ。彼らにとっては、本社はそれなりにチャレンジングでやりがいのあるホワイトな環境である。
ユニクロで出世したいなら、MBAとってマッキンゼーを経て中途で入るのがよい。新卒でユニクロにはいっても店長が関の山だ。
このように完全に分断された構図は、欧米の小売業だと当たり前なのだが、日本の場合あえて別の社会的な反発をくらうからか、学生がとれなくなるからか、そういう事実をあえてぼかしている。
店長の位置づけもあいまいなままだ。
はたして、上にあがれる幹部候補としての店長なのか。それとも単なる店長なのか。
ユニクロは前者をほのめかしつつも、実態は後者である。
学生も学生で、ユニクロに新卒ではいって、グローバルな経営をまなべるとほんとに思ってしまっているところが罪深い。
ユニクロでは、海外進出にあたって中国に膨大な店舗を出店するから、その店長がたりない。新卒は、中国語を覚えて、中国の内陸あたりの新店舗で店長をやることになるのだが、それがユニクロのいうグローバルな経験だということだ。
もちろんユニクロもそんなんじゃ店長の数がたりないから、もう日本人はやめて現地で中国人の店長候補を大量採用しはじめている。同社の新卒の8割は外国人、というのはそういうことだ。
日本人をとるのは、さすがに日本の国内店舗もつぎつぎと人が辞めていくから補充せざる得ないのだろう。
そういう現実をしってかしらないのか、のほほんとしている学生がユニクロに夢と希望を抱いて入り、ブラックな現場で、こんなはずじゃなかった、過労とアイデンティティの崩壊を興すのだろう。
ではそのような新卒に、マッキンゼーに入って、ハーバードMBAをとってからユニクロ入ったほうが面白い仕事ができるよといっても、慰めにはならないだろう。
決してマッキンゼーに入れない人材(このからくりを見抜けないような)だから、ユニクロに新卒で応募してしまうというこの逆説の悲哀。
仮にマッキンゼー人材がユニクロの店長をやったら、それはそれで、小売業のツボを1年くらいで吸収しつくし、それを元になにかあたらしいアパレルを起業したりして成功するかもしれない。そのとき、自分の成功の基礎はユニクロの店長にあったと回顧するだろう。
ユニクロの真のブラックさは、労働時間にあるのではない。
労働時間でいえばマッキンゼーや若手官僚の労働時間はユニクロ店長の比ではないだろう。
月に240時間労働なんて甘すぎる。月400時間もありえる世界だ。ユニクロがブラック動労時間なんてお笑いぐさである。
ユニクロは、労働時間がブラックなのではなく、決して本社では働けない人材にグローバルとか、その上の華やかなMBA的世界をチラリズムさせて採用しておきながら、じっさいな名ばかりの店長をつづけさせる。つまり、ありそうにみえて実際はないキャリアパスで人を釣っているという詐欺のところが、真にブラックなのだ。
実際に月400時間でも、将来経営幹部に転職できるパスがあるとおもうから、マッキンゼーの人はそれでも働く。彼らにとっては、マッキンゼーはブラックでもなんでもなく、キツイが、すごいスキルが手に入る訓練所のようなものだ。
解決策としては、ユニクロは、はっきりとキャリアの分断を示すべきだ。ユニクロには、経験をつんでから中途できなさいと。
そして、店長職は、管理職ではなく労働者という位置づけにはっきりとする。そのためにはもっとシステムをしっかりさせて、本社が管理し、現場の裁量をもっと減らし、機械的に働いてもらう。そもそも店舗の創意工夫などあまりなく、売れ筋の商品は、本社のマッキンゼーが分析して、どのようなものをどれだけ売るかは計算して提示できるような高度なマネジメントを目指すべきだろう。
現場はそれに従えば良い。
矛盾しているかもしれないが、現場に創意工夫がある限り、なんちゃって店長職の責任は増大しつづけるだけだ。
良くも悪くも現場はたんなるマシーンになってしまうが、単なるマシーンだからこそ、裁量がないので、残業を拒否できるし、売上もなにもすべて本社の責任になすりつけることできる。店長は、現場の管理を粛々とやればよい。
そうしたら、仕事は面白く無いかもしれないが、残業のないホワイトな現場になるかもしれない。ただ、そうすると店長はアルバイトでも勤められることになり、大卒の正社員を雇う必要自体がなくなってしまうかもしれないが・・・・・・・・・・・・・
#著者注:ここで書いているマッキンゼー人材というのは、文字通りマッキンゼー出身の人材のことではなく、マッキンゼーなどの、別にグーグルでもいいんですが、その手の非常に頭のよい優秀なトップ層のエリート人材の比喩としてそのように使っております。
(追記)
なお、ユニクロでは店長から本社へのパスが無いわけではなく、事例は存在する。
だだ、店長から本社へあがるには、マッキンゼー級の知見を店長時代に発揮する必要があって、結局マッキンゼー人材じゃないと本社にいけないのは変わりがない。
のほほんと店長をやる人材では上がれないので、事実上の分断と書いた。
柳井さんは、新卒は最優秀層を見出すために、店長時代に死ぬほど働き、マッキンゼー級の業績をあげてほしい、と願っているからこうなるのだろう。
中途の場合MBAとかマッキンゼーというふるいに掛けられ済みなので採用は楽だが
新卒の場合は、まったくわからないので、店長やらせてみて、ふるいにかける。
ただ、ふるいに掛けられすぎて半分がやめてしまっているのだから、この方法よりも別のふるいを考えたほうがよいのかもしれない
(追記2)
続編を書きました。
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